安価な粉砕機を使って、鉱物を顔料化してみたので、レポートする。
購入したのは写真のような粉砕機で、ネットショップで1.5万円ほどで購入できる。ナッツなど食料品を粉砕する機械であるが、鉱物も砕けるようである。原理としては、刃物で粉砕というよりは、もの同士をぶつけて粉砕するようである。
鉱物は事前に5mm大以下に砕いておく。
砕いたものを粉砕機に投入したところ。もうすこし細かく砕いておいた方がよかった。
こちらが粉砕後。無理に満遍なく粉砕しようと思わない方がよいと思った。ある程度細かくしたら、フルイにかけて、砕けなかったものはハンマーで潰してから、再度粉砕する方がよさそうである。
粉砕機内の刃がかなり摩耗したので、金属片が混入していると思われた。それは磁石を使って取り除いた。写真はビニル袋の上から磁石当てて砂鉄を回収しているが、磁石にビニール袋を付けて顔料に直接入れた方がよいということであった。ビニル袋を外せば砂鉄は落ちるので、磁石に付いて困るということもない。
磁石に引き寄せられる金属片は回収できたが、実は合金だったようで、磁石では取れていなかった金属片が残っていたようである。写真は水簸しようとしたときに、表面に浮いてきたものだが、おそらくは粉砕機の金属片であろう。金属は疎水性であることが多いので、浮いてきたと考えられる。結果的には磁石と水で金属片を取り除いたということになる。
金属片が混入するのは、安価な機械でなくても発生すると思われるので、それを避けたいならばポットミルを使うべきであるが、ミルの方は24時間以上はかかるので、やはり手軽に短時間で粉末化できるという利点は大きい。「奥深い洋画材の世界展」では、鳥越一穂氏がウルトラマリン抽出のワークショップを行なったが、事前にこの機械で鉱物を粉砕しておいた。これがなかったら、人数分の顔料を用意するのに難儀していたであろう。
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