桜の樹液で水彩絵具をつくる

水彩絵具の定着材はアラビアゴムである。アカシア属アラビアゴムノキ (Acacia senegal)から取れる樹液で、アフリカが主な産地である。日本では気候的に栽培は難しいであろう。私は発芽には成功した室内で栽培しており、大きさはまだ写真のサイズである。屋外で冬の寒さには耐えられないので、鉢植えにしておかねばならず、おそらくゴムが取れるほど大きくはならない。

ただし、水溶性のゴム樹脂は他に種類があり、日本ではミモザ・アカシア(日本で植えられているのは、ほとんどがニセアカシアであるが、本物のアカシアの苗もよく売られている)、そしてサクラの樹液も水溶性である。テオフィルスの書にもサクラの樹液が挙げられている。

というわけでサクラの木を見つけて、樹液を採取する。

巨木になると、傷を付けなくても、どこかから樹液が漏れているものである。

水に溶かして、顔料と混ぜてみる。

無事に定着してくれた。

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