このカテゴリーでは、展色材にあたるものを取り扱う。溶剤、乾性油、樹脂、ゴム樹脂など。
熱で樹脂を溶かし、画用液を調合する方法
乾性油に樹脂などを混ぜて画用液を作るとき、通常は樹脂を溶剤に溶かしてワニスとしてから、乾性油に混ぜる。しかし、この場合必然的に一定量の揮発性溶剤が画用液に含まれることになる。溶剤の少ないもの、または全く溶剤を含まない画用液が欲しいという人も...
ダンマル樹脂
概要 ダマール、ダンマーとも表記。英語はDamar、Dammar。東南アジアで、フタバガキ科から採取される軟質の現存樹脂。インドネシアのスマトラ島から採れるものが有名。 ヨーロッパで使用されるようになったのは19世紀以降である。マスチックな...
ヴェネツィアテレピン(松脂)
ヴェネツィアテレピンという画用液がある(ベネチアテレピン、ヴェネシャンターペンタインとも)。テレピンというと揮発性油をイメージするかもしれないが、ヴェネツィアテレピンは精油を分溜する前の、樹脂と精油が混ざった状態(バルサム)の松脂を指す。樹...
メギルプの作り方
『絵画材料事典』によれば、メギルプとは以下のような定義なる。 Megilp メギルプ マギルプ (Mastic マスチック樹脂をも見よ) とはテレビンにマスチック樹脂を溶かしたものに,更に亜麻仁油を加えた画用液の塗料媒質メデュームである。こ...
マスチック樹脂
概要 別称:乳香、英語表記:Mastic resin。 ウルシ科のカイノキ属、ピスタシア・レンティスカス Pistacia lentiscus の樹脂。ピスタシア・レンティスカスの木は常緑、雄雌異株であり、樹脂は雄株のものがよいという。地中...
乾性油の搾油
乾性油は植物の油脂であり、種子から搾油されたものである。あまり需要はないと思うけれども、搾油をしてみたいという人がいるかもしれないので、その方法についてメモを残しておく。10万円以上する搾油機、または近隣に搾油所があれば、それを使用するだけ...
鹿の角で膠をつくる
テオフィルスに次のような文章がある。 生皮および牡鹿の角の膠についてこれが注意深く乾かされたならば、同じ生皮の同様に乾かされた切片をとり、こまかく刻め。そして鍛工の鎚で鉄床の上でこなごなに砕かれた牡鹿の角をとり、新しい壺の中にその半ばになる...
コーパル樹脂まとめ
概要 「コーパル」の定義はかなり紛らわしい。鉱物の世界ではコーパルは琥珀になる前の半化石樹脂とされる。そしてかつての絵画用に使われたコーパルも半化石か、あるいはそこまで年代が経っていなくても、半化石に近い樹脂が使われていたかと思う。しかし現...
桜の樹液で水彩絵具をつくる
水彩絵具の定着材はアラビアゴムである。アカシア属アラビアゴムノキ (Acacia senegal)から取れる樹液で、アフリカが主な産地である。日本では気候的に栽培は難しいであろう。私は発芽には成功した室内で栽培しており、大きさはまだ写真のサ...
生皮を煮て膠をつくる
本ページでは生皮を煮て膠を作る試みをレポートする。 参考テキストとして、中世の職人テオフィルスとチェンニーニの書き残したものを参照する。 生皮および牡鹿の角の膠についてこれが注意深く乾かされたならば、同じ生皮の同様に乾かされた切片をとり、こ...