西洋中世の写本にも使われたというタンニンと鉄のインク。西洋ではタンニンにオークのゴール(ナラの虫こぶ)が、鉄には、硫酸鉄(緑礬)が使われた(『色-世界の染料・顔料・画材 民族と色の文化史 』)。このインクが西洋文明にとってどれほど重要であったかは、ウィリアム・ブライアント・ローガン(著)『ドングリと文明 偉大な木が創った1万5000年の人類史』を参照されたし。
オークゴールのインクはいつかは作ってみたいとこだが、『たのしい科学あそび 鉄の実験』という本で、お茶とスチールウールでインクを作るという、非常に簡単な実験が紹介されている。今回それをやってみることにした。この本に掲載されている実験は、しごく簡単な手順だけれども、さらに思い切って極限まで簡略化してみた。
緑茶を濃く入れる。
スチールウールとひとつまみの塩を入れて、箸で掻き混ぜる。
すぐに黒い液体になるが、これで既にインクは完成である。なんとも簡単。
Gペンにインクを浸けて書いてみた。最初は薄いけれども、少し経つと濃くなる。
タンニンは渋味の成分で、お茶にも多く含まれているから、べつにお茶でもよかったのか。鉄はスチールウールでもいいと。万年筆のブルーブラックも鉄とタンニンのインクらしい。
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