キャンバス、板、画用紙など、絵具を載せることになるものを支持体と呼ぶ。支持体の上には目止め層を施され、さらにその上に地塗り層が置かれる。画家はその上に絵具で描く。絵具は色の成分である顔料と展色材から成っている。展色材は顔料をペースト状にして筆で塗ることができるようにしつつ、それを画面に定着させる接着剤の役割がある。本ウェブサイトでは、コンテンツを支持体、顔料、展色材の3つに分類し、絵画材料の解説や実技に関するテキストを掲載している。全体として西洋絵画、特に19世紀以前の油彩技法を中心にして書かれているが、顔料などの絵画材料は基本的に共通するものなので、洋の東西や絵具の種類を限定しているということはない。材料についてよく理解するために、単に知識だけというよりは、顔料等を作ってみるなどの実験によって、体験的に理解できるように考えている。多くはちょっとした実験のようなものであるが、自分で作らなければ手に入らない材料も存在し、そのようなものに関しては、非常に詳しく述べている。このようにして広く公開しているが、実のところは自分の為のメモも兼ねているため、編集が中と半端なままになっているページも多い。
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美術用語には曖昧な使われ方をするものも多く、またどのような訳語に当てはめるかも難しいが、用語の使い方で迷ったときはR・J・ゲッテンス/G・L・スタウト(著)/森田恒之(訳)『絵画材料事典』に寄せるようにしている。